ソイスポ2019 「成らぬは人の為さぬなりけり」④

編集担当者から

今回で最終回の「ソイスポ連載」です。
シモケンさんはお仕事で忙しい中、熱量高く記事投稿に時間を割いてくださいました。あまりの熱量の高さに記事の文字数が多く、割愛した部分もありました。
「0→1」をつくりだす過程の書かれたこの連載を見ていただき、何か感じてもらえることがあればと願っています。シモケンさんほどは無理だけど、私はポリ袋もらわないとかから始めてみます、、、

「ソイスポ エピソード0」革命的な出会い!?

こんにちは!シモケンです!!
実は私は一橋大学法学部を中退して2年間引きこもり生活をしたのちに別府大学人間関係学科に入学しました。入学した時の不安で自信のない自分がまさかソイスポというプロジェクトを立ち上げるなんて夢にも思わなかったです。そこには私の人生を変える出会いがありました!

別府大学二年生の秋。私は大学の講義にゲストスピーカーとして来た奥結香さん(愛称は奥ちゃん)と出会います。LGBTの当事者であることを世間に公表して、講演活動や交流会を開催して当事者支援を行う奥ちゃん。私にとって彼女との出会いはまさに革命でした。
高校を卒業してから私は躁うつ的な(調子が高い状態「躁」と気分が落ち込む状態「うつ」が交互にやってくること)傾向にあり、ずっと誰にも言えず、自分でも自分のことがわからず悩み苦しんできました。別府大学の精神保健福祉士コースで精神疾患について学んでいくうちに、自分は躁うつ病なのかもしれないと思い始めました。しかし頭で理解はできても、自分が“普通ではないこと”を受け入れることができない自分がいました。

そんな時の講義で

「私は奥結香という人間であって、レズビアンは私の一部分の特徴でしかない」

この何気ない奥ちゃんの一言に私は救われました。当時の私は躁うつ傾向という負の側面に飲み込まれて、自分の全てを否定してしまうほどでした。

「そうか。躁うつ傾向は下鶴賢太郎の一部分にしか過ぎず、他に良いところもあるから、もう少し自分を好きになってもいいのかも」

誰しもがある種の“生きづらさ”を抱えながら生きています。
障がいは生きづらさの延長線上にあると私は考えます。そう。あなたも障がいと隣り合わせなのかもしれません。
奥ちゃんと出会って、私は自分の生きづらさを受け入れることができ、ほんの少し生きやすくなりました。そして私も誰かにとっての奥ちゃんのような存在になりたい!たくさんの出会いを生み出したい!!それが私を突き動かす原動力です!!!

新たな扉を拓く

2019年12月5日(木)に別府大学メディアホールにてシンポジウム「障がい者スポーツとインクルーシブな社会について」を開催しました。開催にあたり、4人のゲストをお招きしました。

第一部で基調講演をしてくださったのは奥ちゃんです。奥ちゃんは現在竹田市で地域コミュニティ「みんなのいえカラフル」を運営しています。カラフルの目指す “みんなちがってみんないい”社会はソイスポのゴールと一緒です。ただツールが違うだけです。

第二部では各体験交流会で協力してくださった池部純政氏、牛尾洋人氏、廣道純氏の三人を招いてパネルディスカッションをしました。
「単純に『すごい!』の目で障がい者を見られるのがパラスポーツの魅力です」
「大分県をデフビーチバレーボールの聖地にしたい!日本初のデフリンピック開催を!」
「自分のことを障がい者だと意識することはほとんどない。どうせ生きるなら楽しく生きないと損やで」

参加する大学生にとって、3人のお話は興味深く新鮮に感じられたようです。未知の世界の扉を開くきっかけになったのではないでしょうか?

みんなで一緒に!

ソイスポ実行委員の生の声を紹介させてください。
みんなで一緒に企画したからこそ、普段見えているようで実際見えていなかった障壁が顕在化しました。この障壁をみんなで一緒に知恵を絞って工夫して解決していく営みこそが、インクルーシブな社会への第一歩になると私は皆さんに教えられました。

・栗本 紗弥さん
ソイスポを通して感じたのは、「スポーツを楽しむのに障がい者も健常者もやっぱり関係ない!」でした。ソイスポの実行委員になったからこそ、障がいの有無に関わらず楽しめるように工夫したり参加者同士でフォローしたりするのを目の当たりにし、冒頭の言葉を強く感じることができました。

・芦刈 拓志さん
聴覚障害を持っており、コミュニケーションが苦手です。ソイスポでの活動が相手の立場をより考えるきっかけになりました。例えば手が麻痺している人と会話するときは情報端末(スマホやiPad)を活用するなどの工夫をするようになりました。ソイスポがお互いを理解し合うきっかけになってくれればと思います。

・押切 真人さん
車いす生活になってから僕自身スポーツは諦めていた部分がありました。ですからソイスポに参加してスポーツ体験と交流ができたことはとても貴重な時間でした。今後の課題はこのプロジェクトを通じ関わった人たちとどう付き合っていくのか?そしてどのようにしてソイスポを継続していくか?だと思います。

・山崎 忍さん
参加された方が楽しんで生き生きと活動される姿はとても心を打つものがありました。また聴覚障がいという普段関わらない世界を知りました。私は手指に障がいがあるため、うまくコミュニケーションが取れず、もどかしさを感じました。いかにして聴覚に障がいがある方と楽しく会話できるかを考える良いきっかけになりました。

・本郷 治さん
障がいの有無に関係なく、スポーツを通じて参加者全員が手を携えて親睦を深めることができ、すごく感動しました。シンポジウムでは司会を務めました。脳性麻痺の緊張により言語障がいがある自分でも大役を務めることができたこと、そして自分の言語障がいを参加者の皆さんに知ってもらえたことが嬉しかったです。

最後に

私がソイスポをやってよかったと心底思えた参加者の声を紹介して、合計4回の連載を締めくくることとします。

私が障がい者(車いす生活)となってはや3年が経とうとしています。当たり前にできたことができなくなり、痛みや心の格闘で閉じこもる日々でした。そんな時にソイスポと出会いました。
ソイスポに参加すると、不思議と私の心の中のわだかまりが溶けていきました。何かのきっかけがなければ素直になれない自分でしたが、ソイスポを体験して前向きになれたことに感謝しています。障がいに関係なくみんなの心が踊るソイスポの今後に期待しています。

鶴田 幸治

ソイスポ2019に関わってくださった全ての方々に感謝申し上げます。そして一緒に走り抜けてくれた最高の仲間たち7名にありがとうの言葉を贈ります。

コロナの影響で2020年のソイスポの活動は自粛します。しかし、2021年はまた実施したいと考えています。皆さんまたソイスポで会いましょう!!

ソイスポ2019実行委員長 下鶴賢太郎

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