黄誠秀です!お久しぶりです!

毎週月曜日掲載の「私たちの想い」のコーナー。
今回は元大分トリニータの黄誠秀さん(以下ソンスさん)にインタビューさせて頂きました。

大分トリニータには2016年~2018年まで在籍していました。
当時J3だったトリニータに加入し、クラブをJ1昇格まで導いたソンスさんの現在をご紹介します。

 

Jリーグ参入を目指して

――早速ですが、今どこで何をされているのか教えてください!笑

東京にある株式会社Criacao(以下クリアソン)という会社に勤めています。※https://criacao.co.jp/
クリアソンは日本ブラインドサッカー協会と業務提携していて、私は協会に出向し、パートナー営業と講師の仕事などをしています。
それとサッカーもプレーしています。クリアソンは「Criacao Shinjuku」というサッカークラブを運営しています。関東1部リーグに所属していて、Jで表現するとJ5リーグにあたります。このクラブはビジネスをしながら2022年のJリーグ参入、さらに将来的には世界一を目標にして活動しています。

――まだサッカーされていたんですね!
  トリニータのリリースでは「現役引退」になってませんでしたっけ?笑

プロサッカー選手ではなくなるということで、「現役引退」という表現になりました。でもバリバリサッカーやってます。週に4日の練習があって、今日も19時30分~21時まで練習があります。

――コロナ期間でもやってるんですね!

オンラインでやってるんです。これがめちゃくちゃしんどい。笑
緊急事態宣言が出ていた時は19時30分になるとオンラインで監督・選手が集まり、自分の家で行う練習メニューが伝えられます。リーグが再開した時に、「さらにバージョンアップした状態で戦える体を作る」ことを目的としてつくられたフィジカルトレーニングメニューで本当にきついんです。笑

 

大分の思い出

――今でも大分のことは思い出しますか?

もちろん思い出しますよ!
妻や息子も大分のことが大好きで、「また行きたいね」とよく話します。食べ物もおいしいし、自然も多くて良いところですよね。
あとはやっぱりサッカーをする環境が恵まれていました。週末になると大きなスタジアムに行って、たくさんのサポーターの皆さんの前で試合が出来ていた高揚感は忘れられないです!
トリニータでプロサッカー選手を辞めたのも、大分以外でサッカーしたいと思えなかったからなんです。一緒に戦ったメンバーやサッカーの内容もトリニータを超えられるとは思えなかったです。

 

黄誠秀×ブラインドサッカー

――今日の話の本題は、冒頭ちらっと出たブラインドサッカーについてのお話です。
  もう少し細かく「パートナー営業」と「講師」について教えてください。

「パートナー営業」における私の仕事は日本ブラインドサッカー協会の既存パートナーをフォローすることです。私の担当しているパートナーが数社あり、その中には以前トリニータに所属していた江頭君の会社もあります!その会社にはブラインドサッカーの思想を取り入れたチームビルディング研修の提案をしました。パートナーのご要望に合わせて、研修内容や時間をカスタムして提案するようにしています。

「講師」の仕事はパートナーに提案した研修や、企業以外の方にも「目が見えない状態を経験してもらう」体験会を実施しているので、そういった場面で参加者の前に立って、ファシリテーションしています。

――ブラインドサッカーで企業研修ですか?
  それがチームビルディングにどう繋がるんですか?

研修内のワークを少し紹介します。まず参加者にペアを組んでもらって、片方の人は目隠し。もう一人の人は講師である私から、例えばこのストレッチをしてくださいと指示を受けることになります。


目の開いてる人が目隠した人にこのストレッチを言語化して、同じ動作をしてもらうようにするんです。

――伝えるの難しそう!!でもめちゃめちゃ面白そうですね!!笑

これだけでも結構盛り上がります!
「見えないことを経験する」ワークを通じて、相手を信頼することの必要性やコミュニケーションの重要性を再認識してもらったり、普段見えているから見えないものがあることに気がついてもらえます

 

人と人とが対等に付き合える豊かな世の中に貢献したい

――プロサッカー選手の時からブラインドサッカーに関心があったんですか?

ブラインドサッカーに関心はありませんでした。笑
でもクリアソンに入社した時、どの事業を担当するかいくつか選択肢があり、自ら進んでブラインドサッカーに決めました。
ブラインドサッカーの講師の仕事は「D&I事業」と呼んでいるんですが
これは「diversity & inclusion」つまり「多様性包摂」を意味しています。このことに私はとても関心がありました。

私が在日コリアンだからです。※ソンスさんは朝鮮籍(朝鮮民主主義人民共和国)

日本で育ち、私は差別を感じることは少なかったですか、「どうして?」と思う場面はありました。例えば高校生の時、国体の選手に選ばれたのですが、予選に出られたけれども、本戦には国籍の関係で出場できなかったことなど、、、
また若いころは、自分が在日コリアンであることを相手に明かすと相手は「どのように感じるのか」と悩んだこともありました。
でもそんな私はサッカー選手として、ブラジル人や韓国人、アフリカ人とチームメイトになったり、一緒に試合をすることで多様性を理解しました。

障がい者と健常者の問題も私には同じように思えます。

私が初めて日本ブラインドサッカー協会にいった時、協会では視覚障がいの方も健常者も働いているのですが、健常者の人が視覚障がいの人に対して、ものすごく冷たいと感じました。
私は視覚障がいの人が近くにいたら、すぐに扉を開けてあげたり、階段が近くにあればすぐに手助けする体制を整えたり、、、
でも実は過度に視覚障がいの方を意識することって、障がい者の方を自分とは対等にみていない表れでもあるんじゃないかと思ったんです。協会の健常者の人は冷たいのではなく完全に対等にみていることの表れなんだなと感じました。

世の中の人が国籍や障がいの有無にかかわらず人と人としての交流を持ち、お互いを対等に見る世界が出来たら、とても素敵だと思うんです!! 

Criacao Shinjukuは「Enrich the world.」 を掲げ、誰もが豊かさの体現者となれる社会を目指して活動しています。私はそういったことに貢献したいと思って、今クリアソンでの仕事を頑張っています!!

――勉強になります。是非またトリニータと関わってお仕事していただきたいです!
  そろそろ練習の準備もあるかと思うので、今日はこの辺りで失礼いたします!
  本当にありがとうございました!

 

最後に

年下の私に対しても、ずっと丁寧に話してくださるソンスさんは本当に紳士的な方でした。
今回のインタビューでソンスさんの活動や「diversity & inclusion」に対する熱量の一端を垣間見、もっと深く知りたいと思いました。Trinita for Socialへの記事連載と東京観戦会の際の「ブラインドサッカー研修会(通称:OFF T!ME Biz)」をお願いしています!
別の道を歩み始めたソンスさんとサポーターの皆さんの接点を作るべく頑張りますので、ご期待ください!!

 

〈参照〉

Criacao Shinjuku HP: https://criacao.co.jp/soccerclub/
Criacao Shinjuku Twitter : https://twitter.com/CriacaoShinjuku

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