SDGs「飢餓をゼロに」とは?

持続可能な開発目標・SDGsとは

持続可能な開発目標(SDGs)、通称「グローバル・ゴールズ」は、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動・目標のことです。

これら17の目標は、ミレニアム開発目標(MDGs)の成功を土台としつつ、気候変動や経済的不平等、イノベーション、持続可能な消費、平和と正義などの新たな分野を優先課題として盛り込んでいます。ある目標を達成するためには、別の目標と広く関連づけられる問題にも取り組まねばならないことが多いという点で、目標はすべて相互接続的といえます。

SDGsは17の目標とそれを具体化した169のターゲットで構成され、内容は多岐に渡ります。

17の目標

①貧困をなくそう
②飢餓をゼロに
③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに
⑤ジェンダー平等を実現しよう
⑥安全な水とトイレを世界中に
⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
⑧働きがいも経済成長も
⑨産業と技術革新の基盤をつくろう
⑩人や国の不平等をなくそう
⑪住み続けられるまちづくりを
⑫つくる責任、つかう責任
⑬気候変動に具体的な対策を
⑭海の豊かさを守ろう
⑮陸の豊かさも守ろう
⑯平和と公正をすべての人に
⑰パートナーシップで目標を達成しよう

「飢餓をゼロに」とは

今回紹介をする「SDGs目標2 飢餓をゼロに」とは、飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進することを目標としています。

ここで皆さんに質問です。
世界の飢餓人口数を知っていますか?

2018年時点で、世界では9人に1人、約8億もの人々が飢餓に苦しんでいます。
日本では食品ロスが問題になっている一方で、世界ではなぜこのような状態になってしまっているのか?
1つずつ理解していく必要があります。

ターゲット

SDGs全ての目標には具体的な内容を記載したターゲットが定められています。
「SDGs目標2 飢餓をゼロに」のターゲットは下記です。
飢餓といっても問題は多岐に渡り、解決すべきことは必ずしも1つではありません。

2.1 2030 年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼 児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料 を十分得られるようにする。
2.2 5 歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意 されたターゲットを 2025 年までに達成するなど、2030 年までに あらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高 齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
2.3 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融 サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実か つ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住⺠、家族農家、 牧畜⺠及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性 及び所得を倍増させる。
2.4 2030 年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維 持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害 に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善さ せるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリ エント)な農業を実践する。
2.5 2020 年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化 された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家 畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持 し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な 知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な 配分を促進する。
2.a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のた めに、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普 及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の 拡大を図る。
2.b ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補 助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを 通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
2.c 食料価格の極端な変動に⻭止めをかけるため、食料市場及びデリ バティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備 蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。

(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)
(出典:国際連合広報センター)

飢餓の現状

まず、「飢餓」の定義について説明をします。
国連世界食糧計画(WFP)は、飢餓を次のように定義づけています。

飢餓とは、身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態を指します。必要なカロリー数は、年齢や性別、体の大きさ、活動量等によって変わります。

国連が2019年7月に発表した「世界の食料安全保障と栄養の現状」の報告書によると、2018年は推計8億2,000万人が飢餓状態にあることが明らかとなり、3年連続で増加しているという深刻な事態です。

世界の食料安全保障と栄養の現状
2018年の世界の飢餓人口:8億2,160万人(9人に1人)
– アジア:5億1,390万人
– アフリカ:2億5,610万人
– ラテンアメリカ・カリブ海地域:4,250万人

世界では、すべての人が食べるのに十分な食料が生産されています。それにもかかわらず、世界には飢餓に苦しむ人たちがいます。
WFPが作成しているハンガーマップを見ると、開発途上国とされている国々に飢餓状態の人々が多いことがわかります。飢餓に苦しむ約75%の人々は、開発途上国の農村部に住む貧しい農民です。

一方で、全く飢餓状態が改善されていないのか?といえば、そうではありません。
世界の人口が19億人増加したにもかかわらず、飢餓人口は1990~92年期に比べて2億1,600万人減少しました。
目標にはほど遠いものの、多くの方に尽力により飢餓問題は進歩を遂げている事実も皆さんに理解していただきたいです。
(出典:国連世界食糧計画(WFP))
(出典:国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン)

飢餓の原因について

飢餓の原因は3つあると言われています。
「自然災害・紛争・慢性的貧困」です。

自然災害により、安定した農業活動ができなくなり、それに伴う栄養不足が生じています。飢餓人口の実に8割以上が自然災害多発地域で生活をしています。
災害がたちまち食糧危機、栄養危機は、その状態を脱するまで数年かかることもあります。そうなると飢餓と貧困の負の連鎖に陥ってしまい、持続的な発展や繁栄は望めません。(慢性的貧困へとつながる)

紛争地域の飢餓もまた、深刻な問題です。
国連が発表した「世界の食料安全保障と栄養の現状2017」によると、10年以上減少傾向にあった飢餓人口が増加に転じたのは、紛争が主な原因である、と報告されています。
2016年の飢餓人口は8億1,500万人で、そのうち4億8,900万人が紛争のある地域で生活しているという状態です。
紛争が起きると、家や農地など全て捨てて避難しなければなりません。避難せずに残ったとしても、危険なので農作業や仕事をすることができなくなります。いずれにしても、食糧の確保が困難になり、飢餓状態に陥ってしまうのです。

そして、もう1つ私たちに大きく関わる問題があります。
それは私たち日本人が引き起こしている問題です。
日本は食料自給率が先進国の中でも極めて低い国です。(平成30年度の食料自給率は、カロリーベースで37%)つまり、食料は海外からの輸入に依存している国と言えます。
そして大きな問題は、世界から買った食品の3分の1を捨ててしまっているという事実です。
日本人は「賞味期限が過ぎている」「古くて食べられない」「少し余った」などの理由から食品を捨ててしまうのです。
もう一度述べますが、世界では9人1人が飢餓に苦しんでいる状況です。
(出典:国連世界食糧計画(WFP))
(出典:農林水産省)

私たちにできること

飢餓をゼロにするためには、農業インフラの整備、多様な作物の生産、2歳未満の子どもへの栄養確保など、いくつか取り組むべき課題があります。
これらの課題に向けて活動している団体も多く存在しています。
私たちにできることはそういった団体の活動を応援することも1つです。
「Trinita for Social」ではそういったことを紹介していく共に、一個人ができる行動を提示していきたいと思います。

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